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新三河タイムス社

愛知県豊田市にある新聞社。豊田市、みよし市の情報を発信。

新三河タイムス第4482号(2013/06/06発行)

杉浦新議長に聞く
成すべきことを粛々と実行

 第58代豊田市議長に就任した自民クラブ3期、杉浦弘高議員(66)=四郷町。「選考委員長の団長(与党自民クラブ)自ら議長を選ぶ」という長らく続いた慣例を昨年破るなど筋を通す硬骨漢。一方で、若いころは豊田青年会議所の理事長も務め、ロータリー、文化団体で培った幅広い人脈で視野も広くバランス感覚にも長けている。市長選選考時には中枢の団長を務めたが、今年も秋には定数問題の議論が始まるなど必ず節目に役職が回ってくる杉浦新議長に話を聞いた。
20130606杉浦新議長
建設業は基幹産業 自動車以外の産業強化必要
 ‐議長に就いてまもなく1カ月を迎える。率直な感想は。
 杉浦 就任直後の今の時期だけだが、県内の議会へのあいさつ回りで庁内にはほとんどいない。事実かどうかはともかく他の自治体からは「トヨタの好業績で経済的豊か、うらやましい」との声が多いが、「リーマン・ショック以降大変だ。赤字補てんで法人市民税は伸びず、このままの状態が続いて2、3年のタイムラグがある」などと答えている。いずれにしても県内第二の都市として関心は高いと感じた。
 ‐すでにエコフルタウン、文化振興財団表彰式など市長と並んであいさつ。議会を代表して自分の意見を対外的に話す機会が増えたが。どういう姿勢で臨んでいる。
 杉浦 気負い過ぎないということ。政治家として信じていることに対してひと言言うべきだが、必ずしもそう思う人ばかりではない、バランスには配慮している。日本人に欠けていることは国を愛すること。これは軍国主義とかいうのではなく国がなくなれば国民、市民もなくなる。耳障りのいい要求や風潮が当然になっている世の中で早く軌道修正しないと大変な世の中になってしまう。
 ‐以前から土木建設業は地域経済の一翼を担うだけでなく、災害時の復旧復興に欠くことができない存在と主張し、改善を求めてきた。市は単なる企業の自由競争に位置付け、その意識が薄い。
 杉浦 2000万円以上の修繕工事に限定して中山間地域維持型一般競争入札を試行することが決まった。徐々に我々が地道に訴えてきたことが目に見える形で理解され始めてきたが、まだまだ。ただ行政と一緒により良い方向に進めていきたい。土木建設業は談合などの悪いイメージがあり、公平・公正というキレイ事で一般競争入札がよしとされ、行き過ぎた結果、地域の土木建設業を疲弊させてしまった。業界の人も自覚し、社会貢献などあり方を変え始めている。市民が知らないところで以前から災害があれば夜中でも出かけてパトロールしている。
 自動車産業があまりに大きいため豊田市では軽んじられているが、どの地域でも建設業は基盤産業であり基幹産業。自動車産業以外の産業の体力を強化しないとゆがんだ地域になる。
 ‐報告会、シンポジウム、意識調査の三本柱の議会改革。現状の課題と今後について。
 杉浦 報告会については単なる地域要望会にしてはいけない。二元代表制の一翼を担う議会が果たすべき役割について訴え、市民からの意見も吸い上げる場としたい。やるべきことを粛々と雑音に惑わされることなく、実行していくだけ。
 ‐今年秋にも議論が始まると言われる「定数問題」については。
 杉浦 これまで議会や議員のあり方に精通する講師を呼んだり先進地視察などもしてきた。異口同音に言うのは「定数、報酬とも下げてはいけない」。個人的にはこれだけ優秀な職員に対抗するには50人いても足りないという認識だが、ただ議会側も今の議員の選び方がいいのかという反省もある。いずれにしても秋には議論を始める。
 ‐「豊田市駅前通り北地区再開発」については。
 杉浦 大学時代に都市計画・開発、まちづくりはかじったが、その中でたどりついた考えは「自然発生キノコ論」。キノコの菌が自然発生し開発に発育し、その結果都市が形成され、文化が醸成される。「駅前=都市の顔」、南、北地区単体ではなくしっかりとネットワークを図り、よりよい方向に進めていかなければならない。
【後藤真一】


再開発準備組合 夏ごろ正式組合に
北地区再開発全体計画示される 駅からビル内に続く通路
20130606豊田北/パース
 豊田市駅前通り北地区再開発を行う準備組合(河木照雄理事長、組合員35人)は事業計画書をこのほど愛知県に提出したが、5月15日にアミューズメント事業者にシネコンのワーナー・マイカル(本社・東京都)が決定したことで事業の全体がまとまり、県の認可を得て夏ごろに正式な再開発組合を発足させる。
 計画書によると、同駅東の県道豊田市停車場線北の約1・6㌶に西からシネコンなどが入る商業・業務棟(8階、高さ45㍍)、老人ホーム入居の高齢者施設棟(8階、同30㍍)、分譲マンションの住宅棟(26階、同85㍍)を建設するもの。建築延床面積約5万7500平方㍍。いずれも地下2階までに約300台の2層駐車場と1,2階には店舗を配する。
 老人ホームなど130床が入る中央棟は社会福祉法人旭会(尾張旭市)、160戸の分譲マンションの東棟は三井不動産レジデンシャル(名古屋市)が取得している。西棟の5~8階部分の2層(計3300平方㍍)に入居するシネコン業者、ワーナー・マイカルは9スクリーン約1100席を設置。年間40万人の集客を見込み、地区再開発の賑わい中核施設となる。
 駅前から延びるデッキ(2階)からビルに入り、さらに次のビルにもつなげ回遊性を持たせる。
 一方、3棟の間に南北の通路と広場を設け、地上の県道停車場線からもショッピング、回遊性が楽しめるしつらえ。
 同地区東側にあり、問題となっていた喜多町神社の樹齢百余年、高さ約20㍍の御神木(2本のクス)は地下駐車場建設への支障が避けられず、移植か伐採、苗を残しての植え替えを検討しており、残されないことになった。神社、山車蔵はいったん移設されるが工事終了後元に戻される予定。
 総事業費185億円。資金計画では収入は国、県、市の補助金約65億円、旭会とレジデンシャルの取得金約90億円など。支出は工事費約141億円、補償費約24億円など。
 事業計画は30日開かれた同準備組合13年度通常総会でも報告された。
 本組合設立後、組合員が現在地で営業するか、転出するかなど権利変換の手続きと実施設計などが来年春までに行われ、14年度に現在の建物解体、新築工事着工へ進む予定。完成は16年度見込み。


メシ&スイーツグランプリ開催
市補助金活用 新たに3事業(みよし商工会)
20130606みよし商工会
 みよし商工会(鳥居鐐一会長、会員821人)は28日、文化センター・サンアート(三好町)で通常総代会を開き、2013年度予算案や事業計画などを決めた。市が今年度から運用開始した「商工業活性化補助金」(6000万円)を元に3つの新規事業を始める。
 計画では昨年の産業フェスタで実験的に催した「みよしメシ&スイーツグランプリ」を事業として本格化する。市内の飲食店などを対象に夏ごろから募集を始め、10月に大会を開催。大賞メニューは同フェスタで披露する予定で、地元飲食店の活性化と市外への認知度向上を図る。
 また、ご当地アイドルグループ「みよし市PR隊(仮)」を結成。市内外でライブほか、ボランティア活動などを行う。メンバーは3‐5人を想定。現在市内在住、在学、在勤の15‐23歳までの女性を募集している。
 新たな特産品開発にも乗り出す。具体案は検討中だが、2008年に同商工会が開発した酢のドリンク「いいじゃん美人」と同様の方向性を計画。同市特産のカキ、ナシ、ブドウを全面に押し出す考えだという。
 同商工会では3事業合わせ約300万円の補助を見込んでおり、次年度以降も有効活用し新規事業を盛り込む予定。市産業課によると、同補助金は商工会員のみ利用でき、対象は人材育成やイベント開催など。1事業50‐300万円を限度に支給する。
 久野知英市長や小山祐県議らが出席した総代会で鳥居会長は指導員の巡回訪問強化と経営支援を約束。「中小企業を取り巻く環境は日々変化している。常に相談に乗れるよう徹底したい」と話した。
【九郎田宏之】


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