新三河タイムス社

愛知県豊田市にある新聞社。豊田市、みよし市の情報を発信。

わが街わが人〜歴史〜

地元の歴史 後世へつなぐ
産業遺産継承リーフレット作成 村山 勝さん

20140424わが街わが人

 年3回ほど草を刈るなど手入れしているが、地元でも知らない人が増えた。存在すら知らない人もいる。昨年度の地域活動を支援するわくわく事業に応募し、「穂積製糸跡」のリーフレット1000部と案内看板を作成した村山勝さん(64)=穂積町=は「きちんと整備して後世に伝えていきたい。他の地域の人にも見に来てほしい」と話す。
 穂積製糸工場は1899年に鈴木喜太郎氏が開業。当時の花形産業で将来的に収益が見込めると思い始めた。周辺農家では養蚕業や餌になる桑作りも行われた。従業員120人の一大工場。各地から工場へ大八車、馬車で繭が運ばれてくるほど。当時の百姓は現金収入の道がなく、1920年に糸価が大暴落し工場を閉鎖するまでの22年間地域経済の発展に大きく貢献した。
 「100年近く前の話で資料が乏しい。5代目は現在マレーシア在住。唯一、創業者のひ孫が地元在住なので話を聞き取り、資料を借りた。松平町誌を参考にしたり、90歳になる母からも当時の話を聞いた」と作成の苦労を語る。美しい四季の写真は趣味を生かし、自ら撮影した。「景色も見どころ。春の桜もきれいだが、特に紅葉が朝日に映えて1番きれい」と瞳を輝かす。
 リーフレットは松平交流館で無料配布中。自治区や松平地区の小中学校には無料配布済みで「子どもたちの郷土学習資料や地域住民の歴史認識の向上に活用してほしい」と微笑む。
 現在穂積製糸跡保存会の会長。地元の学校を卒業後、県職員として勤務する傍ら、愛知大の夜間に通った。地元穂積町区長も務め、4年目になる。「10年ほど前に仕事で県内の近代化遺産の調査に携わったが、対象にならなかった。そのころからもう少し知ってもらいたいと考え始めた」と熱く語る。
 幼いころは現存する水槽でかくれんぼして遊んだ。当時は土蔵が2棟残っていて、戦争で家をなくした子孫が住んでいたのを覚えている。石碑は父が若かりし日に建てたもので、思い入れが深い場所だ。「今後も継続的に調査研究し、保存のための活動をしていきたい。今は地元のみだが、広域にリーフレットを配る機会があれば」。近隣の畑から見物客を見かけると笑顔で声をかけ案内する。
【瓜生佐由紀】

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