新三河タイムス社

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【特集】豊田の“怪談”怖~い話

生き血を吸う 太刀洗の井戸

三河三霊山のひとつで豊田市松平地区の住民にとってシンボルの六所山。その麓町、坂上町には600年以上前、罪人の首を刎ねた太刀を洗ったとされる「太刀洗の井戸」が残っている。自治区がつくったマップには史跡として記されているが、井戸にはさまざまな〝伝説〟があり、「近づくと不吉なことが起きる」という噂も。暑い夏、怖い話を求めて現地に足を運んだ。

松平・坂上町 600年前に罪人を処刑 今も残る石首

国道301号線を下山方面に走り、360号線へ左折。4㌔ほど進むと左手に見える「六所神社・下宮本殿」側に噂の井戸はある。車を降りて坂道を100㍍上る。東宮口川にかかる小さな橋を渡って、草が茂った細道を30㍍ほど進むと、木々に囲まれた緑豊かな開けた場所に出た。
 井戸は山肌をくり貫いたようにたたずんでおり、大きさは高さ1・5㍍、幅1㍍ほど。地区内にあるほかの井戸と異なり、石組がしっかりと作られた印象は受けるが、見た目は至って普通だ。

20130808井戸
↑罪人の首を刎ねた刀を洗ったとされる井戸。手元から下に向かって水をかけ血のりを洗い落としたと伝わる。石組に囲われた高さ1.5メートル、幅1メートルほど。一度も枯れたことがないらしい。


 ただ、地元では〝危険場所〟として語り継がれている。藤丸籠に乗せられた罪人が川の道を通って井戸の前で首を切られる。血のついた刀を手元から下に向って水をかけ血のりを洗い落とした-というのだ。
 「井戸の上には切られた人間の首が据わっている。絶対に立ち入るでないと言われてね。私は『ハイ』と答えるしかなかった。子ども心に恐ろしい話だと思った」
 幼いころから同地区に住む浦野鏡子さん(88)は祖父母に何度も言い聞かされた。当時、村中を遊び場にしていたが、井戸周辺だけはほとんど行った記憶がないほど。近くでまつりが行われる際も、遠回りして向った。「その恐ろしい『首』は大人になってから1度だけ見に行った。それでも触ることはしなかった」。頑なに教えを信じている。
 浦野さんがいう「首」は今も残る。人の顔をかたどった石像だ。井戸の上に無造作に置かれ、大きさはバレーボールほど。積もったコケが年代を感じさせる上、歯を食いしばり苦しんでいるような表情に思わずゾッとしてしまった。

20130808石像
↑人間の顔をかたどった石像。歯をくいしばり苦しんでいるように見える。松平親氏公が亡くなる以前、600年以上前から井戸の上に置かれているという。理由や目的は誰も知らない。

 石首にはいくつかの逸話があるらしい。「何度かなくなったことがあるようだが、しばらくすると戻ってくるみたい」と松平観光協会事務局員に昨年就いた伊藤大佳さん。杉本幹夫さん(85)は祖父から聞いた記憶を手繰り寄せるように「明治時代にもの好きな学者先生がいて、家に持ち帰ったと聞いたことがある。病気になったり、どうにも気持ち悪いことが起こるんで返したとか」と説明する。
 いつ、誰が、何の目的で石像を置いたのか-。「聞く話では松平親氏公が亡くなる以前からあるもの。600年以上は経っているのでは。ただ何故置かれたのかは誰も知らない。地蔵さんのように供養のためだろうか」と地元料理旅館「六所苑」の和田昭一さん(72)が教えてくれた。
 歴史的背景を調べようと、松平地区区長会長の中根道善さん(66)に話を聞いた。中根さんによると、六所神社の拝殿の前身は「判行堂」。初期松平氏が領地内のもめごとや、罪の裁きを六所明神の神前で行った。「その刑場がこのような話につながったのではないか。あくまでも資料のない空想の話だが」と続ける。 どこにも正確な資料が残っておらず、真実は分からなかったが、坂上町には、現在も「判行前」という地名が残る。今でこそ近づかないことはないが、「不気味な場所」と皆が口をそろえる。湧き続ける井戸水は1度も枯れたことがないため、噂に拍車をかけている。「まるで罪人の生き血を今も待っているようだ」(杉本さん)。

20130808六所神社
↑六所神社の拝殿。前身は「判行堂」で初期松平氏が罪の裁きをしたと考えられている。

 昼間は木漏れ日が差し込み「パワースポット」的雰囲気を醸し出しているが、夜は一変。街頭もないため、近寄るには相当の勇気がいるだろう。
 「ちゃんと神様に今日のことを報告していかんと」。和田さんに呼び止められ、取材後は六所神社に向い、手を合わせた。
【九郎田宏之】

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| | 2015-11-29(Sun)20:18 [編集]


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>インコ様
お問い合わせの件について、メールにて返信させていただきましたので、ご確認をよろしくお願いいたします。

新三河タイムス | URL | 2015-11-30(Mon)10:03 [編集]