新三河タイムス社

愛知県豊田市にある新聞社。豊田市、みよし市の情報を発信。

新三河タイムス第4500号(2013/10/17発行)

毎年の海外視察5年ぶり復活 市民フォーラムも先行検討中
豊田市議会自民クラブ
豊田市議会の最大会派、自民クラブ(杉浦昇団長、28市議)の7市議が挙母まつり翌日の21日から8日間スウェーデン、オランダへの海外視察に出る。テーマは欧州先進国の環境、高齢福祉政策の実情を把握し市の政策に活かすというもの。市議による海外視察は1968年から一時期を除き08年まで断続的に実施されていたが、同年秋のリーマン・ショックで中止されていた。5年ぶりの〝復活〟だが、杉浦団長は「世界企業トヨタ自動車のお膝元の自治体に政策提言するには必要な活動」と今後毎年実施すると話している。
20131017自民クラブ
「市への提言に必要」杉浦団長
「行くなら自費で」共産市議

 視察に参加するのは、梅村憲夫団長、日恵野雅俊副団長、深津真一幹事以下、河合芳弘、杉浦昇、稲垣幸保、羽根田利明の7市議。
 目的は高齢、障がい者福祉施策の先進地や再生可能エネルギー・スマートシティの欧州での現状を視察し、豊田市の施策の参考にするため。
 オランダ・アムステルダムは09年から「スマートシティ」として25年までにCO2排出量40%削減を目指し、民生(家庭・業務)部門の消費電力の見える化、絶縁ガラスなどでのエネルギー使用の抑制、電気自動車の普及、太陽光発電によるゴミ圧縮機の店舗導入、IT利用による電力融通システムなどを実施。従来からの風力発電、自転車専用道、トラム(路面)バスの活用も視察する。
 スウェーデン・ストックホルムは04年五輪誘致に失敗したが、五輪村予定だった地区を湖畔のエコタウンとして再生させ、10年に欧州グリーン首都賞を受賞した。公共交通、自転車、相乗り車通勤などで炭素排出量削減30-40%を実現した。中でも地下に張り巡らせた廃棄物用シュートで吸引収集したゴミをバイオガスに変換するシステムは威力を発揮している、という。
 自民クラブ団長の杉浦市議は「環境モデル都市に指定された豊田市はエコフルタウンを整備しているが、10年間の期間限定。環境先進都市・豊田のブランドとして発信できるまでにならないといけない。先進地を見てきてできたら政策提言していきたい」と話している。
 自民クラブでは来年度も同様の海外視察を行う予定で、28市議は一期(4年)の間にどこかの国を海外視察することになる。
 豊田市議会の海外視察は68年から85年までは正・副議長らが全国議長会の一員として毎年参加。その後中止され、88年からは市議会特別委員会として十数人前後の市議が断続的に視察。08年まで実施されていたが、同年のリーマン・ショックで市財政危機に陥ったため、中止された。なお特別委視察での一人当たり公費負担は80万円-120万円だった。
 その後、関連の特別委員会が設置され、「世界に開かれた豊田市に海外視察は必要」との答申が出され、市議に毎年38万円支給の「政務調査費」を、今年度から「政務活動費」として毎年53万円に変更された。その際、使途範囲が国内だった調査旅費も調査研究費に変わり、海外も可能となった。
 今回はこの規定を受けた視察だが、具体的には各会派に一括支給される活動費を同クラブで、参加者一人当たり50万円負担し、残りを参加市議負担にする。
 なお同市議会第2会派の民主系市民フォーラム(吉野博子代表ら9市議)も海外視察の検討を行っており、作元志津夫幹事長は「来年早々か来年度になるが、中小企業支援目的で、海外進出している企業や、イノベーション、新事業のヒントになる東南アジアなどになる可能性。参加するのは希望者で数人程度」と話している。
 一方、88年からの市議会による特別視察に反対・不参加で、今回の政務活動費への移行(15万円増額)にも反対し、増額分を受け取っていない共産党の大村義則市議は「陳情などおかしな分野に使えるようになった半面、開かれた議会を目指した市政報告会やアンケート調査などへの使途は制限された。行政の仕組みが異なる海外へ行く意味がどれほどあるのか。会派の判断は妨げないが、行くなら自費で行くべき」と批判している。
【鬼頭直基】


現職の政策ベースに発展
みよし市長選 小野田市出馬 諸団体が推薦

みよし市教育長の小野田賢治氏(62)が11月10日告示の市長選への立候補を表明した。10日、豊田市役所であった記者会見で発表した。市長選に立候補を表明したのは小野田氏が初。理由について小野田氏は「生まれ育ったみよしのため恩返しができればと考えた」と語った。一方、教育長の任期が3年残っていることに触れ「教育面での課題をクリアしたいという思いもあり、随分悩んだ」と胸の内も明かした。
20131017みよし市長選
一部市議は反発 対立候補擁立も
 7日に市議会最大会派の「新世紀の会」(伊藤邦洋会長)、第2会派の「みよし未来の会」(近藤義広会長)、公明党(青木直人代表)からの推薦を受け、出馬を決めた。背景としては市内で影響力を持つ諸団体が候補を一本化した-というのが実情だ。
 会見で小野田氏は具体的な政策案について「今後検討していく」としながら、「久野市長の政策を継承しつつ、発展させていきたい」と語った。
 その上で重点施策に「福祉・医療支援の充実」や「安心・安全なまちづくり」などを提示。市民1人ひとりの生活基盤を強化するため、産業の振興を図るなど住みやすさを追求する姿勢を示した。
 会見には「新世紀」の伊藤会長と「未来」の近藤会長も同席。近藤会長は直前まで会派内から独自候補擁立へ向けた動きがあったことを明かしつつ「みよしは選挙を理由にまちを2分してきた過去がある。そういった姿は望ましくないと考えた。その上で(小野田氏は)過去にとらわれない人」と話した。
 伊藤会長も小野田氏の推薦理由について「行政は未知数だが、多方面からの意見を取り入れつつ、自ら判断できる」と評価した。
 今後は3会派以外の市議にも支援を求める考え。清風クラブ(2人)と青雲クラブ(1人)は「行政経験がないので判断できない。応援するかはじっくり話を聞いて決めたい」としながら、「反対する理由はない」と融和的な姿勢を見せている。
 一方、昨年度「新世紀」の会長を務め、今年4月に脱会した日置孝彦議員(翔誠クラブ)は否定的だ。「教育長に就いてわずか1年で辞職するのは無責任。9月議会で私が質問した際も任期を全うすると答弁した。すぐに考えを変えるようでは支持できない。行政能力も疑問だ」と語気を強める。
 ほかにも一本化へ向けた流れに反発する意見や「無投票はよくない」といった声もある。告示日まで残り1カ月を切ったが、小野田氏の正式表明により、対立候補が出馬する可能性も残る。
【九郎田宏之】


挙母祭り19・20日
西町“百年に1度”の晴れ舞台

〝挙母っ子〟の血が騒ぐ400年来の祭り「挙母まつり」が今年も19、20日に豊田市の都心一帯で絢爛豪華に繰り広げられる。樹木地区(旧東町、旧南町、旧本町)と下町地区(神明町、喜多町、西町、竹生町、中町)の8町から華麗な山車計8台が街を練り、挙母神社への曳き込み、再び空を覆うほどの紙吹雪の中、街に繰り出すころ祭りは絶好調に。街が、男たちが(女も)、ワクワクする今年の「挙母祭り」は… 
20131017挙母祭り
8町・5町の「華車」に奉納花火の筒元
祭りは五穀豊穣を祈る挙母神社の例祭として寛永年間(1625-43年)に始まり、飾奉4輌(東、本、中、神明町)、獅子舞(南町)後に逆鉾(西、竹生町)の祭になったが安永7(1778)年には飾り車8輌で街を練り歩く祭りになった。
 絢爛豪華な8輌の山車は1964年に県有形民俗文化財に指定され、市指定文化財にも。紙吹雪の中を掛け声とともに山車が駆ける勇壮さは三河の三大祭りとしても親しまれている。
 今年は19日の「試楽」と20日の「本楽」の2日間行われ、20日夜には矢作川河畔で奉納花火も盛大に打ち上げられる。
 特に8輌の山車を先導する「華車」を受け持つ西町は下町5町の「華車」も兼ねる。華車は毎年各町が順替わりに担うが両方が重なるのは40年に1回。さらに奉納花火を仕切る「筒元」も担当。
 「多分100年に1回あるかないか」と西町2区西部自治区長、奥村峰生さん(57)は話す。
 栄えある「華車」の年だが、西町の山車は1778年以前に造られ、何度も改造された。現在の山車は明治以降、隣町の山車などから部材を譲り受けて造られた。
 上山(屋根)の欄間などに竜、ぶどう、雲、鳳凰のほか、楠木正成の別れなど精緻な彫刻が施されている。赤い大幕も楠公父子が華麗な刺繍で描かれている。「高さは一番だが、部材が細くて華奢。だが最も古い形態」と奥村さん。明治の前に山車がなぜかなくなり、周辺町の山車の古材をもらったので、最古参の山車になったようだ。
 伝統の継承、山車の維持など人も費用も大きな情熱が要る。西町には10曲の祭囃子があり、子供ばやしとして受け継がれている。多い時は90人いたのが最近は40人弱。「登録550世帯だが人口減。自治区内の元城小学区は子供会があるが、挙母小にはない。2次会員として他地区へ出た子供を特別に入れ囃子の練習をしている」と奥村さん。
 部材の保存、大幕などの維持にも費用がかかる。特に刺繍などの修復は数百万円が必要。「市の援助は望めず、皆さんの寄付で賄うのでやりくりも大変」と奥村さん。
 挙母祭りは壮麗さと紙吹雪の華やかさなどから年々観客が増えているが、一方で毎年問題視されるのが大量の紙吹雪問題。祭りの後の掃除が大変で保存会(神谷勝二会長)では毎回、紙吹雪自粛を申し合わせている。
 「まく所を市駅前、豊信前、朝日丘中北の3カ所に絞る、継続的に減量するなどは定着しつつある。まいてすぐ掃除するよう指導している」と神谷会長は話しているが…
【鬼頭直基】


神輿担ぎ棒の手奉納
猿投まつり 地域住民が神事

20131017猿投祭り
 豊田市猿投町の猿投神社で12、13日の2日間、「猿投まつり」が催された。地元住民が伝統的郷土芸能「棒の手」の奉納や「神輿渡御」をはじめ、各種神事を執り行い、無病息災や五穀豊穣などを願った。
 初日の12日には試楽祭が行われた。午後7時半から「神輿渡御」があり、白装束に身を包んだ男たちが3台の神輿を担いで拝殿に並べた。周りを松明で灯された神輿は幻想的で、たくさんの見物客がさい銭を投げお祈りした。
 その後、警護隊が棒の手を奉納。弓や鎌、槍などを使い約1時間、激しい演武を見せた。棒がぶつかり合う音と荒々しい掛け声が境内に響き渡った。
 猿投まつりは16世紀後半に始まったとされ、特に「棒の手」奉納は伝統的。「猿投棒の手保存会」を中心に代々継承されている。
 近藤秀俊会長(54)は「みんなが1カ月間近く夜遅くまで練習し素晴らしい奉納ができた。これからも伝統を守っていきたい」と話した。
【九郎田宏之】


豊野高が地元こども園招く 演劇で防災意識伝授
地域貢献を目指す豊田市渡刈町の豊野高校(鈴木揚一校長 生徒1100人)は11日、地元の渡刈こども園(加納美幸園長、園児178人)の年中、年長園児117人を招き、演劇部や生徒会、ボランティアの生徒らが演劇とクイズにより災害時の対応などを園児らに伝えた。
20131017豊野高校
高校生がオリジナル脚本作成
同校は今年度から県の防災セミナー指定を受け、その取り組みの一環として行った。
 演劇部の生徒10人が子どもたちに分かりやすいようオリジナルの脚本を作成。地震が発生した時に何をすべきかをはじめ、火災発生時やけが人がいる場合の対応などを劇で伝えた。
 脚本を手がけた2年の木佐貫由真さん=竹町=と1年の田中朝実さん=小川町=は「小学校で習った基本を中心に作成した。園児らに伝わっているとうれしい」と話した。
 防災セミナーを受講した1年の田中啓太君=桝塚東町、勝田裕大君=竹町、沢村光希さん=竹元町、近藤佑香さん=住吉町=の4人がクイズを担当。「地震の仕組みを学び改めて怖さを感じた。幼い時から防災の意識を身に付けてほしい」と劇に沿った問題を、絵で選ぶ楽しいクイズで防災の大切さを印象づけた。
 手作りの救急車やかわいい「お猿さん」の登場に、園児らは目を輝かせ身を乗り出して鑑賞していた。楽しい劇やクイズを見せてくれたお兄さん、お姉さんに「また園に遊びに来てください」と元気に言った。
 加納園長は「園でも防災について伝えているが、違う人から違う形で学ぶことができ、いい経験になったと思う」。鈴木校長は「万が一の時に、若い力がどう活かせるかを考えて、地域に向けて『防災』意識を積極的に発信していきたい」と話した。
【岡田さち代】

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