新三河タイムス社

愛知県豊田市にある新聞社。豊田市、みよし市の情報を発信。

新三河タイムス第4502号(2013/10/31発行)

国道153号豊田北バイパス起工 渋滞緩和も空洞化懸念
豊田市内を縦断する国道153号「豊田北バイパス」の本体工事が始まる。矢作川に橋がかかる現場で行われた起工式に出席した太田稔彦市長や片桐副知事、八木哲也衆院議員、地元県議、市議らは「東名や東海環状と一体となって地域活性化につながる」と期待を寄せた。一方、足助地区ではバイパスができたことで紅葉時期以外の来訪者が減ったようにクルマ社会の同市で中心市街地を通過するクルマが減れば「魅力的なものを作らなければ空洞化する」と懸念の声も…
20131031起工式
国際競争力向上へ
平戸橋下流に新橋

豊田北バイパスは、都心の通過交通の流入を抑えることで国道153号の渋滞緩和、交通安全の確保、沿道環境の改善などを目的に計画された幹線道路。勘八町-上原町-同155号をつなぐ南北6・8㌔。完成すると「豊田外環状」の1部を構成する。総事業費は約342億円。05年には東海環状道・勘八ICへのアクセス道として約1・1㌔区間が暫定2車線で開通している。
 着工した第二工区は、扶桑町-上原町の2・9㌔区間。現在の平戸橋の下流300㍍付近にかかる「(仮称)第2平戸橋」はシンプルなデザインを予定。道路も橋も片側二車線となるが、暫定的に片側一車線で供用開始。
 工事に当たっては06年度に事業化し説明会や用地買収が進められてきた。政権交代やリーマンショックの影響で着工の遅れはあったが、用地買収は順調に進み、12年度末で約8割を終えた。
 同工区には矢作川を渡る390㍍の橋梁建設や名鉄三河線を潜るため線路の一時付け替えなどの大規模工事があるため完成までには時間がかかり、国交省は完成予定時期を明らかにしていない。
 起工式で来賓からは「製造業日本一の同地区の物流ルートの核ができ、国際競争力の向上につながる」などのトヨタ支援が強調されたが、震災時の避難ルートとしての役割も期待される。ただ、東海環状道の誕生で岐阜県にトヨタ系の工場などが進出したこともあり、道路の利便性向上で自治体間競争は激しくなる。
【後藤真一】


豊田加茂歯科医師会 予防には検診必要
川原会長 条例制定を強調
20131031歯科医師会
6月に豊田加茂歯科医師会の第37代会長に就いた川原英之会長(61)=美里。一般社団法人に組織替えする重要な年にトップに就き「会員の日常の歯科治療に加え、保健活動に力を入れていきたい」と抱負を語る。
 同会では現在、歯科検診を増やすため歯科保健の条例化を市に働きかけている。市が市民の健康づくりを総合的に推進するため策定した「健康づくり21」で歯の健康については「年に1、2回かかりつけの歯科医に検診を受けること」と位置付けられているものの、市民への周知が徹底されていないのが現状。「すでに全国40自治体で条例が制定済み。市も1つの窓口として健康部をつくったが、まだバラバラの状況。条例制定で一本化を図り、充実させたい」と意欲を燃やす。
 新体制への移行に伴い役員の若返りを図った。「ベテランの先生ばかりだと組織や考え方が硬直化する。若いなりにやりたいことがあるので、一旦リセットし心機一転して取り組みたい。若い先生の意識改革にもつながる」と訴える。その一方で各委員会には経験者を配置し、若い役員をサポートする体制を整えた。
 自身は35年前に市内73番目として開業。5年後には県歯科医師会に出向した。若手の歯科医師会活動離れが進む中、活動に力を注いできた。「先輩の先生が支えてくれたお陰。過去を知らないと未来は語れない。歴史を知った上でいまの市の施策がどうできたのか、そのあり方も語れる」と振り返る。また「県に出ていくと利害関係がなく歯科行政について本音で意見をぶつけ合え、勉強になる。日常の診療から一歩外へ出て領域を広げることで視野も広がる」と若手に呼びかける。
 現在乳児から中学までは定期的な検診があるなど歯科行政は整っているが、19-40歳までは未整備。「40を過ぎると虫歯などで歯を抜く件数が極端に増える。毎年必ず検診を受けるシステムをつくる上でも条例化は絶対に必要」と強調する。
 【経歴】1952年9月5日生まれ。崇化館中、東郷高、朝日大歯学部卒。趣味のダイビングは50の手習いで夫婦で始めた。
【後藤真一】


香嵐渓 秋の深まり紅葉で体感
1日からまつり「ご利益めぐり」も同時開催
20131031香嵐渓
秋の深まりと共に訪れる紅葉の色付きに合わせ、豊田市足助町の香嵐渓で1日、「もみじまつり」が始まる。期間中はイベントに加え、足助の町並みを回る企画も用意。主催の足助観光協会(鱸雅守会長)は「日に日に移りゆく紅葉の色付きで秋を体感してほしい」と呼びかけている。31日まで。
 毎年県内外から多くの観光客が訪れる県内随一の紅葉スポット。飯盛山ほか、広さ25㌶の敷地一帯を約4000本のモミジが赤く染める。種類は「イロハモミジ」と「オオモミジ」が中心。
 観光協会によると、今年のピークは例年並みの11月20日前後を予想。昨年は10年に1度のあたり年で、色濃く鮮やかに輝いていたという。今年も夏の猛暑に加え、今後の冷え込み具合によっては昨年同様の色付きを楽しめる可能性がある。
 巴川に架かる「待月橋」や香積寺に続く「もみじのトンネル」など同地特有の絶景箇所は健在。期間中は毎日没後、ライトアップするほか、色付き情報をHPで更新する。
 もみじまつりに関連し、地区内のパワースポット11カ所を紹介する「ご利益めぐり」を新たに始める。足助中3年生が自ら作ったマップに沿って案内役を務める。中学生目線で足助の魅力を発信し、生徒の地域に対する理解度を深めたい考えだ。9、10日と16、17日の4日間で、各日午前10時、午後1時の2回。定員は各10人。
 また町内の古民家を見学する「うちめぐり」を同日開催。5月に国の重要文化財に指定された旧鈴木家(紙屋邸)など普段見られない家内部を公開する。午前10時から午後4時。予約不要。
 問い合わせは同観光協会☎62-1272。
【九郎田宏之】


名伸興産 水耕レタス一般販売へ
新規事業で3年前着手 コスト削減が課題
20131031水耕レタス
新明工業グループで、カーリースや各種保険を取り扱う明伸興産(豊田市衣ケ原、資本金2400万円、大嶋日出彦社長)は3年前から新規事業創出の一環としてレタス「拍手活菜」の水耕栽培に取り組んでいる。
 「豊田地区の自動車組立工場が地方に分散され減っている。なんとか新しい活路を見出そうとした」と大嶋社長(61)はきっかけを語る。専門家のアドバイスを受け、水耕栽培に向き、作りやすく需要が高いレタス栽培に着手した。「元々熱水土壌消毒装置を手がけており、その際に豊橋技術科学大学の三枝正彦教授に指導してもらったのが縁でレタス栽培についてもアドバイスしてもらった」
 初期投資は3000万円。同社の従業員3人が携わり、担当の加藤晃弘部長(45)は「農家で栽培したものに比べ、水道、電気、人件費がかさんでいる。いかに差別化して買ってもらえるようにするかが難しい」と課題を語る。「軽作業で老若男女誰でもできる。人件費削減のため、今後はグループ内の定年者やパートなどの働き口として検討していきたい」と話す。
 収穫量は月2000個。トラックの荷台として使用する冷凍コンテナ2棟を改造したクリーンルームで水耕栽培する。入室時はエアーシャワーを浴び、手袋、マスクなどを着用。室内には4段棚を設置、蛍光灯やLEDの光を当て栽培、室温管理も行っている。
 病気や害虫の心配がなく天候にも左右されず、常に安定した品質を保てるのが強み。農薬、添加物は一切使用せず、洗わなくても食べられる。加藤部長は「見た目では分からないが、食べてみると柔らかく、苦みが少ない。野菜が苦手な子どもでも美味しく食べられる」と胸を張る。「根が付いたまま販売している。水を加えれば鮮度が長持ちする。花のようなイメージで飾れ、贈答用にも最適」とPRする。
 企業の株主総会の手土産や、銀行の景品、車検時に顧客に贈呈するなどしていたが、評判がいいので一般用にも販売することにした。現在とよたエコフルタウン(元城町)内レストラン「ホガラカ」の売店、ホテルトヨタキャッスル(喜多町)1階「ウィンザー」入り口周辺で販売。1個300円。
【瓜生佐由紀】


琉球舞踊伝えたい 高上町水野さん母娘3人
豊田市高上町にある沖縄の伝統芸術、琉球舞踊の教室で水野桃子(33)・楓子さん(31)姉妹が熱心に指導をしている。
20131031琉球舞踊1
「沖縄が誇るもの」
2人の母・千鶴子さん(62)は沖縄県出身。桃子さんが9歳、楓子さんが7歳の時に姉妹を連れ沖縄や名古屋で活躍する重要無形文化財琉球舞踊保持者玉城流扇寿会家元の谷田喜子さん、金城美枝子さんに入門した。「娘たちに故郷の文化芸術を伝えたい」(千鶴子さん)。
20131031琉球舞踊2
琉球舞踊は沖縄で継承される3舞踊の総称。1つは約600年前、沖縄が独立国家・琉球だったころ中国からの使者をもてなすために誕生した「古典舞踊」。2つめは廃藩置県で沖縄県となり、踊りを仕事にしていた士族たちが職を失い生活のために街で古典舞踊を親しみやすく砕き、リズミカルで賑やかに踊るようになった「雑踊り」。3つめは戦後古典舞踊や雑踊りを元に異文化を取り入れ作られた「創作舞踊」。
 同舞踊は伝統の継承と質の低下を防ぐため、資格制度を取り入れている。水野さん親子3人も厳しい審査を経て教師の資格、千鶴子さんは師範の資格を取得。さらなる向上を目指し今も月に6回家元の下へ稽古に通っている。
 取材当日は「古典舞踊」を見学し「雑踊り」を体験した。前傾姿勢とリズムを刻む足さばき、しなやかな手の動きなどが特徴。心地よい音楽とともに沖縄の文化を体感した。7年間続けている今井美紀さん(38)=百々町=は「衣装の柄のビンガタが好きで始め、楽しく続けている」と話す。
 琉球舞踊の魅力について楓子さんは「独自の音階で奏でられた音楽と雰囲気、伝統工芸品の衣装を身に付けて踊る素晴らしさ」と言い、沖縄県芸術大と同大学院で8年間学んだ桃子さんは「沖縄が誇るもののトータル」と語る。
 千鶴子さんは「沖縄の大変だった時代を琉球舞踊は支えてきた。大切に伝えていきたい」と熱っぽく訴えた。
 3人は教室の指導や公演のほか、祝い事やパーティーの余興でも披露するなど精力的に活動している。
 問い合わせは同教室☎88-2124。
【岡田さち代】

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